【まとめのまとめ】
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暇だからちょっと語らせてくれ
聞きたい人がいるかどうかは知らない。でもふっと思い出したから書く
書きだめはないのでごゆるりと待っててください
この時俺は中二で…痛いやつ真っ盛りだった。
ただモテたいがためにってのと…姉貴がいて姉貴がベースをしてたから俺はギターを始めた
ギター自体は姉貴のやつを使ってた。もちろん全く弾けない。全然弾けない
姉貴にも凄く笑われたw
姉「ビートルズすら弾けないの?w」って感じで…悔しくて堪んなかった
姉貴はジャズばっか聞いてて正直メチャクチャ上手かった。
二人の共通項は洋楽好きってこと。ジャンルは全く違った。俺はこの時にわかで全然知らなかったけれど
どんだけやってもコードチェンジが上手くいかない。
ビートルズとかニルヴァーナとかメチャメチャギター簡単な曲すら弾けなかった。
それで結構すぐやめちったwww
ギターはインテリアと化してた。
俺は音楽だけ弾いてギターは弾かないって日々が続いた。
因みに母は他界していなかったけど親父はよくしてくれた。
有名なゲーム会社に勤めててお金もあった。
だからCDなんかは全部買ってもらってた
そんでぐだぐだ過ごしてたら学校行事があった。その時だった。
うちのクラスのDQNがギターで弾き語りするっていう出し物をする事になったんだ。
その時内心しまった!って思ったけど…
そいつ地味に上手かったんだよね。
邦楽をしてた(確かtubeとか)んだけど歌も上手いしギターも弾ける。最悪だった。
俺のクラスはそいつを全面バックアップするってことに決まった。
部活のやつは部活の出し物とかあったんだがいかんせん帰宅部だった…
俺はそいつのギター持ちになった
DQN「ぜってー落とすなよ?落としたらぶっ飛ばすかんな?」
俺「分かってるよ…落とさんっちゃ」
ずっとこんな感じだった。こんだけ言っても俺より安物のギターだったんだけどなw
ギター持ちの仕事はかなり楽だった。でもものすごく悔しかった。
学校行事でそいつは拍手喝采だった。先生からも受けがよかった
これでもう1回始めることにしたんだw
上手いなら教えていただきたい
インテリアと化してたギターを手にとって一生懸命練習…するはず無かった。
それだけ意志が弱かったんだな、全然ダメ。
姉貴からはとうに見捨てられてた。
俺はもうビーオタするだけの浮いた中学生になってた。
中二の終わり、俺は電車通学でいつものように電車に乗ろうとしてたんだが…いつもと違うんだな。
ストリートのミュージシャンがいた。
俺はこんな田舎でなんになるんだ?金になるの?とか考えてた。
よく見るとスーツはきてんだけど全体的にボロい。ハットも被ってるけどヨレヨレ。
こいつ…完全にホームレスじゃあねえか。
その時すぐ無視した。
学校が終わってその日は珍しく友達と遊ぶことになった。
俺ほとんど友達とかいなかったしなw
結構テンション高めで帰ったの。その時気付いて無かったけど、
1回家に帰ってもっかい駅に行くとまだストリートのやつはいた。
こいつ何時間いるんだよ!?朝の8時に見て今夕方だぞ?って思ったのを覚えてる。
そのホームレスは意外とお爺ちゃんでそれもあってかギターケースには結構小銭が入ってた。
年を売り物にしやがって…それが最初の感情だった。ギター売れよwとかも思った
チラッと見たとき目があった。うわっ最悪…
ジジイはにやっと笑ってイマジンを歌い出した。その時の俺がジョンレノンのシャツを着てたからだった。
俺「あれ?意外と上手くね?」
ジジイは声高々にイマジンを歌う。ギターは簡単なのは知ってたけど弾けなかったから羨ましかった。
気付いたらジジイの前に立ってた。ジジイはイマジンを歌い終わるとちょっとこっちを見て
「金」
とだけいった。
ワロタ
じじいwww
俺「金?あーっと…」
ここで渡すのはなんだかしゃくだった。友達との約束ごとも忘れてジジイにいった。
俺「ビートルズ弾ける?」
ジジイ「あんなに簡単なの弾けねえやつおらんが」
カチンと来た。ビートルズを貶された気持ちにもなったし尚且つ俺の嫉妬が吹き出した。
俺「へー。ブラックバード弾けたら金やるよ」
ジジイ「…口の聞き方気を付けろい」
それでもジジイは笑ってたが。
どうせ無理だと思った。いきなりのリクエスト。しかもブラックバードは意外と難しいというのをCD屋のマスターから聞いていた。
ジジイ「ブラックバードシンギン…」
めっちゃうめえ。ふざけんな。期待を返せ。あとものすごく発音がよかった。本家のポールより歌が上手い気がした。
チャカチャカずっと鳴らして演奏は3分ほどで終わった。
ジジイ「…で?」ニヤ
このにやけにまたもカチンと来た。
俺「じゃあ次はアクロス・ザ・ユニヴァースだ!」
ジジイ「へいへい…」
といってチューニングをし直した
面白いwwww
ポンポン
その時チューナーを使ってなかった。俺は合わせるだけでもチューナー頼りだったのにw
俺「チューナー使わんの?」
ジジイ「…チューナーねえw」
弾けなかったらぶっ飛ばしてやるとまで思った。マジで。
ジャラン…
完璧だった。完璧すぎてビートルズ聞いてるのすら恥ずかしいくらいの完璧。歌は上手いしギターに狂いはない。
ジジイ「…金」
流石にここで折れた。小銭入れから300円出してギターケースに入れた。
ジジイ「…お前中学生か?」
俺「なんで分かったんじゃ?」
ジジイ「…額がショボい」
このジジイ、ぶっ飛ばす。ジジイは笑うのを止めなかった。
ジジイ「お前今ビートルズきいてんのか?」
俺「ビートルズにニルヴァーナ。後はジョンのソロとか」
結構洋楽は聞いてると思い込んでた。でもジジイは鼻で笑って
ジジイ「…ロックってのを知ってねえなあ…」
ビートルズは大好きだったから腹立ったけどそれ以上にジジイに興味が湧いた。自然に怖いイメージは無かった
俺「じゃあどんなんがロックなんだよ!」
ちょっとキレてた。まー痛い中学生だったししょうがないな。
ジジイ「まあ、待てや。俺はもうロックは飽きたんや」
俺「じゃあ何しよるん?」
ジジイはにやけて「教えられまっしぇーん」と言った。今でも覚えてるけどあのときの怒り。
ジジイ「…これくらい集まりゃいいか」
ジジイはギターケースをチラッと見て言った。確かに3000円以上あった。
中学生相手に大人気ないじっじやwwww
支援
ジジイ「お前ギターすんのか?」
俺は痛いとこつかれたと思った。隠してもしょうがないと観念した。
俺「したいけど出来ない」
ジジイ「なんでや?」
俺「弾けんけえじゃ」
するとジジイはカッカッカッって笑ってすくっと立った。意外と背が高い。多分170以上はあった。
ポンポンと肩を叩かれ聞かれた。
ジジイ「弾けるようになりてえか?」
俺「…うん」
ジジイ「…ほんじゃ」
といってメモになんかかいた。それは空き地の場所だった。
ジジイ「明日土曜やろ?今のガキは土曜休みじゃろうからここ来いや」
俺「は?」
ジジイ「ギターは必ず持ってこいよ」
俺「何時や?」
ジジイ「…朝や」
友達から誘われなくなったのは言うまでも無かった。
次の日朝8時に起きて少しドキドキしながら仕度した。姉貴からはどうした?って聞かれたけど友達の約束ってことにして出て来た。
空き地には既にいた。というより…そこがジジイの家だった。間違いなくホームレスだった。その空き地には小さな小屋があって中には四畳半くらいのスペースが裏の山手にあった。
ジジイ「来たな?くそガキ?」
そういって頭をがしゃがしゃされる。
俺「やめえや!臭くなるじゃろ」
ジジイ「…お前元気やなあ…」
その時ジジイはジャージにシャツ1枚だった。
俺「しかし汚いな…」
ジジイは笑っているばかりだった。そのまま裏の小屋につれていかれた。
ジジイ「ここはスノウドニアっちゅうんや」
俺「スノウドニア?」
ジジイ「この小屋の名前や」
こいつ頭おかしいと思った。ほんとにこのジジイは大丈夫なんだろうか?何かされないだろうかというドキドキが出てきた。
ジジイ「…おい、ギター」
俺「へ?」
ジジイ「ギターだよ、練習すんだろ?」
そう言われて慌ててケースからギターを取り出す。ジジイのギターは野ざらしっぽかった。
ジジイ「へえ…ヤマハたあ良いもん持ってんじゃねえか」
俺「元は姉貴のじゃ」
ジジイははーん…といってまたにやけた。そこでやっと気付いた。
俺「ジジイのギター変なやつやな?」
ジジイ「お前ほんと生意気じゃな?」
ジジイはそういってギターを取った。後に知ることになるがそれはドブロというアコギ(というよりリゾネーターギター)だった。
知りたい人は調べてほしい。俺はそのギターに興味津々だった。
ジジイ「これか?こいつは"よしの"じゃ」
俺「は?」
ジジイ「ギターの名前や」
なんでも名前つけるのか…ほんとに頭おかしいと思った。これまた後に分かるがジジイはなんでも名前をつけるクセがあったw
ジジイはドカッと座って俺を見た。
ジジイ「何が弾きたい?」
俺は色々迷ったが好きな曲を素直に言った。
俺「ヒア・カムズ・ザ・サン。これしたい」
俺はジョージハリスンファンだったのだ。ジョージのシャツなんて1枚も持ってなかったがw
ジジイ「…分かった」
この時少し目付きが変わった気がしたんだ。俺はジジイに続いて汚い座布団の上に座ってギターを担いだ。
ジジイ「まあまずは焦るなや。キーから教えんぞ」
いきなり教則本を完全に無視だった。全くキーなんて言葉知らなかった。
ジジイ「…あー。キーってのはな?コードのベースや。簡単に言うとな」
それから基本音というのを教えてもらった。ジジイはやっぱり面白い人間だったが教え方も凄い上手かった。
焦らんでええ、手が小さいのはしゃあおまへんとか慰めの言葉をかけてくれてた。
まだまだ中学生。手が小さい上に飽き性だ。キー押さえるだけでつまらなくなっていった。そこでジジイの話題をふった。
俺「なあ?ジジイってなんでホームレスなん?」
ジジイ「…うっさいわ。ホームレスでもええやろ」
俺「何歳?」
ジジイは少し考えて「68」とだけ言った。正直ジジイジジイと言ってたが見た目はもっと若かった。このジジイが60代なのも信じられなかった。
朝9時から約三時間。延々キーを単音で押さえるだけをしていた。正直つまらくなっていた。
俺「なー、こんなんで上手くなるん?」
ジジイはクスッと笑って俺の肩を叩いた
ジジイ「お前、名前と年は?」
俺はいきなりでなんでこんなことを聞くのか分からなかった。
俺「俺は俺。14じゃ」
ジジイ「俺はジジイ、68」
益々分からなかったけれどちょっと面白かったw
ジジイ「…54も違えばギターの歴も違うっちゅうことや」
そういってすくっと立っていきなり着替えだした。
俺「なんで着替えるん?」
ジジイ「…金」
また一言呟いただけだった。
俺もすぐ見たいと思った。ほんとはどんな音楽をするのか気になったからだ。
俺「着いていってええか?」
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