問題
たかし君は4キロ先のコンビニへ三輪車で時速40キロの速度で向かいました。
後ろから姉(金髪ロリ巨乳のメガネ属性)が時速60キロで走ってきます。
この家庭が持つ最近の悩みは?
フランの回答
僕たちはいわゆる『混ざりもの』だ。
20年前に空から降り注いだ光によって、僕たちは人ならざるものへと変貌した。いや、正確にいえば――生まれながらにして、人間とは違う姿貌を得てしまったのだ。
人間性を保ちながら、毛や尻尾、爪などの獣としての特性を宿した存在。肉体の強さは人間のそれを遥かに凌駕し、獣性の強いものともなると、車すら追いつけないほどのスピードで駆けることさえできる。
いつしか『人間』たちは僕らを『変異体(デザインド)』と呼ぶようになった。彼らの視線はいつだって恐れと侮蔑が混じっており、少なくとも同種に向けるものではなかった。
『変異体』の数は1万人に2,3人とそれほど多くない。それだけに、僕たちは少数派として迫害される。父は生まれつき変異していた僕と姉を見て母と別れた。母もまた、僕が物心つかないうちに、家にやってきた白衣の男たちに連れて行かれてしまった。
温かい日々は、最早記憶の中にしか存在しない。
『変異体』を保護するため――とは名目で、変異体から人間を保護するために様々な政策がとられた。人間の集団から隔離し、人間との接触を制限するのもその一つだ。学校に行くのにも、電車に乗るにも、果ては日用品を買うことにさえも許可証が必要になっていた。
ああ、僕たちは。果たして僕たちは人間なのだろうか。
問いに答える者は、誰もいない。
「今日は学校でしょ。早く起きなよ、遅れちゃうよ?」
「……もうちょっとだけ」
隣にある毛布の塊から、眠たげな声がかけられる。
彼女は僕の姉――この街で唯一の『同種(なかま)』だ。
僕が狼の耳と尾、爪を持ち、姉は狐のそれを有している。同じイヌ科の動物の特徴を持っているあたり、同じ血が流れているのが影響しているのだろうか。
「もー。しょうがないなぁ」
困ったような、どことなく嬉しいような声色。まるで、僕がここから出て行ってほしくないかのようだ。
気持ちはわかる。だって、僕もそうだから。
たった六畳の部屋でも、一人でいると世界そのものから取り残されたような、心に寒風が吹くような感覚に囚われる。それはきっと、互いに同じ感覚なのだろう。
「……学校でつらいことがあったの?」
いつの間にか、姉の顔がこちらに向いていた。
雲ひとつない青空の如き蒼穹の瞳が、仏頂面の少年を映す。
「姉ちゃんには関係ない」
「関係あるよ。お姉ちゃんだもの」
慈愛に満ちた目が、僕の胸に突き刺さった。
違う。違う。姉ちゃんのほうが、もっとつらいはずなのに。
僕のほうが、姉ちゃんを慰めなきゃいけないのに。
姉は2日前に、学校で濡れ衣を着せられた。
ある生徒の財布が盗まれ、そのすぐ傍に金色の毛が落ちていたのだ。たったそれだけの理由で、姉は犯人に仕立て上げられた。
馬鹿なことだ。そんなもの、事前に用意して撒き散らしておけばいくらでも捏造できるのに。それなのに、誰もがその可能性を考えなかった――否、見ようとしなかった。
その方が早いから。同種(なかま)よりも、異質なものに罪を押し付けた方が丸く収まるから。
「仕方ないよ。一人でいたわたしも悪かったんだ」
その話を聞いた僕の怒りに、彼女はいつものように困った笑顔でぽつりと返しただけだった。
「ほんとに関係無いんだ。ちょっと、勉強で行き詰まってるだけだから」
「そう? 珍しいね。タカシは頭がいいから、そんなことは無いと思ってたけど」
「僕だってに――」
ニンゲン、と言いかけて、僕は口を閉じた。
長い沈黙が流れる。もしかしたら、姉もまた僕の心情を察したのかもしれない。
「このまま、二人でどこかへ行っちゃおうか」
何も言えなかった。
小さな窓の向こうから、チチ、と小鳥の鳴く声が聞こえて、
「じょーだん、だよ」
彼女はぎゅっと僕を抱きしめる。
その小さな体には、どれほどの悲しみが積み重ねられてきたのか。
豊かな胸の中には、どれほどの空虚が広がっているのか。
温もりの隙間から見えた切なげな笑顔からは、何も窺い知ることはできなかった。
配給されたパンと萎びたレタスのサラダ、ベーコンのかけらを放り込み、僕は集合住宅を後にする。
変異体を受け入れる学校は少なく、僕の通う学校も家からはやや遠い。走っても2時間はかかるので、通学には乗り物を使っている。
僕たちがトライギアと呼んでいるそれは、自転車の後輪を2つに重ねてさらに頑強性と安定性を上げたものだ。変異体の脚力でペダルを漕いでも、壊れないスグレモノである。
〈――外務大臣は○○国との条約の締結を宣言――〉
〈――タレントの△△氏と、女優の□□さんが結婚――〉
信号を待っている間に、街のディスプレイに流れるニュースをぼーっと眺める。
日常は、どこまでも変わらない。
信号が変わり、再びペダルに力を込める。
そこで、昼食を買い忘れたことに気が付き、途中でコンビニに寄ることにした。
〈――次のニュースです。本日未明、首相は非常事態を宣言しました。変異体による全国的な大規模のテロが計画され、国民の平和が脅かされていると発表。全ての変異体は特別な施設に隔離されることになりました。なお、これに抵抗する者は射殺もやむ無しとの――〉
走る。走る。走る。
まだそれほど遠くには行っていないはず。わたしの足なら、絶対に追いつける。
「はぁっ、はぁっ……!」
何気なくつけたラジオから流れた緊急のニュースに、耳を疑った。
いくらテロの計画があるとはいえ、全ての変異体を捕まえるだなんて、そんな馬鹿げたことがあるわけがない。
そもそも、テロの計画さえ本当かどうかも分からないのだ。
わたしたちは、ぎりぎり生かさず殺さずのレベルで、いわば首輪を着けられて生きている。最低限の生活を送るための環境、資金、支援物資。罪を犯さなければ、ひっそりとでも生きる権利を貰える。わざわざリスクを犯してまで、そんなことをする意味はあるのか。
どちらにしても、迷惑な話だった。
わたしはただ、彼と一緒にいたかっただけなのに。それ以外には、何もいらなかったのに。
でも、今となってはどうでもいい。
早く、早く弟を探さなければ。
別々に捕まったら、もう二度と出会えないと直感した。
風だ。わたしは今、黄金色の風になっている。
目を保護するための防護グラスがなければ、おそらく目を開けてもいられないだろう。
道行く人々は、わたしが何であるかなんて分からない。分かるはずもない。
他のことなんて気にしている場合じゃない。とにかく、今は弟を見つけないと。
「……ぅ」
ぱちり、と目を覚ます。
覚えているのは、トライギアに乗っていたところを棒で叩き落とされたところまでだ。
それからは頭に何発かいいのを貰ってしまい、記憶が定かではない。
頭からはどくどくと血が流れ、左の腕も折れてしまっている。
嫌がらせの類は慣れているが、こうも酷い暴行を受けたのは初めてだ。
流石に変異体相手でも、傷害罪は適用される――罪の重さはやや不確かなところはあるが。
どうやら僕はトライギアから落とされた後に路地裏で暴行されていたらしく、周りにはゴミ袋が積まれていた。よく見てみると、袋にはべったりと赤い液体が付着している。
「良かった。気がついたんだね」
「姉ちゃん、どうしてここに――」
直後、僕は言葉を失った。
姉の可憐な顔面は鉄臭い赤に塗れ、両手は真っ赤に染まっている。
彼女の足元には、人間が倒れていた。
正確に言えば、『人間だったもの』があった。
首が妙な方向にねじ曲がっているものや、胴体からばっさりと裂けてしまっているもの。顔が潰されているもの――それら全てに共通しているのは、既に命の灯火が消えているということだ。
「これ……姉ちゃんがやったの……?」
「うん。こいつらね、タカシに酷いことをしてたんだ。殴ったり蹴ったり、棒で叩いたり。それを見ちゃってさ、ついカッとなって……後は、覚えてないよ」
姉の瞳に、光は宿っていない。
「あはは……結局、わたしたちはニンゲンになれないんだね。ヒトの振りをしたケモノでしかないんだ。きっと、最初から生まれるべきじゃなかったんだよ」
たった二人だけの路地裏に、笑い声が響く。
綺麗で虚ろな、悲しい悲しい笑い声。言葉は無くとも、その嘆きは僕の胸を突き刺した。
「このまま、二人でどこか遠いところへ行こう」
僕はそっと彼女を抱きしめた。
震える小さな体を包み込むように。僕が、ずっと彼女にそうされてきたように。
「……その。どこまで行けるか分からないけれど」
すると、姉は僕の腕の中で穏やかに笑い、僕の口に指を当てた。
「二人なら行けるよ。どこまででも」
「……うん。そう、だよね。僕たちは、いつまでも一緒だ」
――そして、彼らの姿を見たものは誰もいない。
答:生きたい。
twitterやってます:https://twitter.com/kwr195
―――――――――――――――――――――――
【使用させていただいた音源・効果音元様】
・On-Jin ~音人~様
https://on-jin.com/
・甘茶の音楽工房様
http://amachamusic.chagasi.com/index.html
・MusMus様
http://musmus.main.jp/piano.html
・H/MIX GALLERY様
http://www.hmix.net/
・DOVA-SYNDROME様
https://dova-s.jp/
・魔王魂様
https://maoudamashii.jokersounds.com/list/game16.html
【使用させていただいた立ち絵・背景画像元様】
・ニコニ・コモンズ(背景イラスト投稿者様)
http://commons.nicovideo.jp/
・nicotalk&キャラ素材配布所様(ゆっくりきつね様)
http://www.nicotalk.com/ktykroom.html
・いらすとや様
https://www.irasutoya.com/
素材提供者の皆様誠にありがとうございます
※本動画で使用していない素材の画像・音源元様の表記もあります
#ゆっくり実況 #Minecraft #マインクラフト
青空に映える 意味 在 Da-iCE -「雲を抜けた青空」Lyric Video Youtube 的評價
11月21日発売、Da-iCE 5周年イヤー第3弾シングル「雲を抜けた青空」のLyric Videoを公開!
表題曲では初めてメンバーが歌詞を手掛けた愛溢れるミッドバラード。コーラスにはパフォーマー工藤大輝も参加!
Lyrics:SOTA.h、Taiki Kudo、大野雄大
Music&Arrangement:Erik Lidbom、TAKAROT
2018年11月21日リリースの5周年イヤーのラストを飾るこのシングルは、シングル表題曲では15枚目にして初めてメンバー作詞の1曲。
「自分たちの言葉で、聴いてくださる皆さんにメッセージを届けたい」という強い希望のもと、花村想太を中心に、工藤大輝、大野雄大の3人が作詞を手掛けた。きっかけは、実はファンの皆さんからの声。 『結婚式でかけられる曲は無いですか』という言葉をよく聞くようになり、花村を中心とした3人がファンの皆さんからの声をモチーフに、大切な人に贈る1曲として言葉を紡いでいった。
ぜひ歌詞に注目して聴いて欲しい。
Da-iCE デビュー5周年イヤー 第3弾シングル
「雲を抜けた青空」
2018.11.21 Release!!
●Discography:http://da-ice.jp/discography/
●mu-moショップ:https://goo.gl/zkrZUR
―形態―
●初回限定盤A (CD+DVD) UMCK-9968 1,800円(tax in.)
●初回限定盤B (CD+LIVE DVD) UMCK-9969 2,300円(tax in.)
●通常盤 (CD Only) UMCK-5660 1,200円(tax in.)
―CD収録内容―
①「雲を抜けた青空」
②「リフレイン」
③「この曲のせい -5 Voice & Acoustic ver.-」 (通常盤のみ収録)
―初回盤A DVD収録内容―
○「雲を抜けた青空 Music Video」
○「The making of 雲を抜けた青空」
―初回盤B LIVE DVD収録内容―
○「もうひとつのBETツアー in 韓国」( 約70分の撮り下ろし映像)
―楽曲解説―
M-1. 「雲を抜けた青空」
「雲を抜けた青空」は、Da-iCE シングル15枚目にして表題曲としては初となる、あたたかなミッドバラード。美しいピアノと流麗なストリングスが織りなす、包み込むような優しいメロディと、ドラマティックな展開が胸に迫るナンバー。「どんなに嵐でも、どんなに雨が降っていても、雲を抜けたらそこにはいつも青空がある。だから、一緒に青空まで高く飛び立たとう」という意味を込め、メンバー自ら真摯に紡いだ言葉を歌に乗せてDa-iCEが贈る心温まるメッセージソング。
M-2. 「リフレイン」
表題曲とはうって変わり、“僕は弱虫で”という言葉が印象的なシリアスで哀愁の漂う切ないナンバー。いまも忘れられない恋、行き場なく心の中をめぐり続ける想いを綴った、胸をしめつける1曲。
M-3. 「この曲のせい -5 Voice & Acoustic ver.-」
Da-iCEのライブでも長く愛されている楽曲を、アコースティックギターをフィーチャーして、この秋冬にぴったりの1曲にリアレンジ。大切な人のとのかけがえの無い時間を歌う優しい歌詞と、アコースティックギターの音色が相まって、本シングルの雰囲気にぴったりな温かな1曲に仕上がった。
その他の情報は公式HPをチェック! http://da-ice.jp/
―LINK―
●Da-iCE Official HP http://da-ice.jp/
●Da-iCE UNIVERSAL MUSIC Official HP http://www.universal-music.co.jp/da-ice/
●Da-iCE OFFiCiaL FUN CLUB a-i https://ai.fc.avex.jp/
●Da-iCE Official Blog http://ameblo.jp/da-ice/
●Da-iCE Official LINE ID:@daice
●Da-iCE Twitter
∟工藤大輝 https://twitter.com/Da_iCE_TAIKI
∟岩岡徹 https://twitter.com/Da_iCE_TORU
∟大野雄大 https://twitter.com/Da_iCE_UDAI
∟花村想太 https://twitter.com/Da_iCE_SOTA
∟和田颯 https://twitter.com/Da_iCE_HAYATE
∟STAFF https://twitter.com/Da_iCE_STAFF
●Da-iCE Instagtram
∟STAFF http://smarturl.it/Insta_Da-iCE_Staff
∟工藤大輝 http://smarturl.it/Insta_Da-iCE_taiki
∟岩岡徹 http://smarturl.it/Insta_Da-iCE_toru
∟大野雄大 http://smarturl.it/Insta_Da-iCE_udai
∟花村想太 http://smarturl.it/Insta_Da-iCE_sota
∟和田颯 http://smarturl.it/Insta_Da-iCE_hayate
青空に映える 意味 在 津野直哉/ツナ Youtube 的精選貼文
ついに5万にになりましたね…
始めたの頃は絶対に到達しないもんだと思ってました。
昨日ツイッターでリスナーさんが5万人目前を前にして
リ「あと10人くらいで5万人ですよ!」
って言ってくれて、僕は
な「ホントそれな!夢みたいだ!」
っていったら
リ「夢じゃないです!夢が作った現実です!!」
って言われて、とんでもなくいい言葉すぎて鳥肌が立ちました。
自分はある雑誌の一節にあった、こんな雰囲気の言葉をいつも胸に抱いています。
「いつも見ている風景でも、たった5度、上を見ればまた違う景色が見える」
上を向いたら5度分だけ青空が広がっていて、下を向いたら5度の角度に入っていなかった可愛い花が咲いています。5度右を向けばボロボロの標識があったり、5度左を向けば、あなたの横顔がもっと綺麗にこの目に映る。
格言じゃないけど、格言よりも自分の中で大切な言葉です。
一気に何十度も視界を変えられない世界。だからって小さな角度をないがしろにしちゃいけない。そんなオシャンティーな言葉じゃないですか?
〇チャンネル登録よろしくお願いします!
メイン〈津野直哉/ツナ〉→ネタ、ラジオ、化学動画など
https://www.youtube.com/channel/UC4HCI_GJ2ZsueOlqgjApnFw
サブ〈津野の薬理研究室〉→日常生活、てきとーなど
https://www.youtube.com/channel/UCMsMX_MRs1xFITi9Yi6mzIw
〇Twitter
最新情報や津野の行動をいち早くチェック!
https://twitter.com/t_naoya_807
Twitterでは様々な企画をしていますのでぜひfollowを!
〇エンディングの動画↓
【ドッキリ】突然『意味不明な言葉』で会話し始めたらどうなるのだろうか?
https://www.youtube.com/watch?v=mgN-h4FkCLQ&t=1s
〇Tシャツはこちらから↓
https://uuum.skiyaki.net/ebitarou
〇ファンレターの宛先こちらで↓
106-6134
東京都港区六本木6-10-1
六本木ヒルズ森タワー37階
UUUM株式会社 津野直哉/ツナ宛
〇オヌヌメな動画
①【深夜企画】子供っぽい服装で深夜徘徊してると警察に補導されるんじゃね?
https://www.youtube.com/watch?v=bAaq29SNAKE
②【前編】元彼女と行くはずだったディズニーランドに1人(ソロプレイ)で行ってみた。
https://www.youtube.com/watch?v=GUSS4m2Rhhk&t=107s
③【闇化学】毒殺代表『青酸カリ』→本当に簡単に人を殺せると思いますか?
https://www.youtube.com/watch?v=JgegldMTnd4&t=87s
〇BGM・音楽素材
効果音ラボ
http://soundeffect-lab.info/
DOVA-SYNDROME
http://dova-s.jp/