亜鉛は、わたしたち人間の体に必要な必須ミネラルの1つです。 大事な栄養素であるにもかかわらず、人間は自分の体内で亜鉛を作ることができないので、食事から摂取する必要があります。 昔はそんなに気にしなくても亜鉛を十分にとることができましたが、最近は日本人の食習慣の変化と共に、亜鉛不足に陥る方が多くなってきました。 亜鉛欠乏症になると、このサイトのテーマである腸活(腸内環境を整える活動)もうまくいきません。 今回は亜鉛の働きや効果をチェックし、なぜ腸活するには亜鉛が重要なのかをじっくり勉強してみましょう。 亜鉛とは? 人間の体を作るために必要な必須ミネラルの1つです。 必須ミネラルには、以下の16種類があります。 亜鉛は主要なミネラルの1つである 主要ミネラル =1日の摂取必要量が100mg以上 =カルシウム、リン、カリウム、イオウ、塩素、ナトリウム、マグネシウム それ以外のミネラル =鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、モリブデン、コバルト、クロム 昔は亜鉛を含む食べ物をたくさん食べ、また亜鉛の吸収を阻害する食べ物を食べる量が少なかったので、あまり亜鉛欠乏症になる人はいませんでした。 でも最近は、日本人の食習慣が大きく変わり、日本人の約2割が亜鉛欠乏症予備軍(潜在的亜鉛欠乏症)なのではないかと言われています。 亜鉛は食べたものがすべて吸収できるわけではありません。どれくらい吸収できるかは、いっしょに食べたものや個々の体質にもよりますが、一般的には約30%と推定されています。 亜鉛は体内酵素を作る 亜鉛は、私たちの体の中に約2gあると言われています。筋肉と骨に含まれている亜鉛がほとんどですが、肝臓、膵臓、腎臓、脳、前立腺などにも存在し、体内酵素を作っていると言われています。 大阪体育大学運動栄養学研究室の資料によると、亜鉛は私たちの体を構成する細胞の成長と分化に関与しているとのことなので、細胞が成長したり、老化したりする際の新陳代謝に大きく関わっていることがわかります。 細胞の成長と分化に関与。欠乏の影響は代謝回転の速い組織に現れる。欠乏で皮膚炎、創傷治癒遅延、味覚障害、食欲不振、慢性下痢、血球減少、成 長障害。 参考:大阪体育大学運動栄養学研究室 資料より 私たちの体のタンパク質を分解する酵素として働く亜鉛は、具体的に以下のような働きをします。 アミノ酸からたんぱく質を作る DNAの合成をする 新しい臓器をつくる材料になる 活性酸素を除去する 味覚を感じる味蕾細胞や免疫反応にも関与 酵素は本来、私たちの体の中にあるもので、栄養バランスがよくとれているときちんと作られますが、バランスが悪いともちろん十分に作られません。 亜鉛が不足すると…? では、亜鉛が不足するとどうなるのでしょうか? 一般的に亜鉛が不足した場合に知られている症状は以下になります。 味覚異常が起きる インスリン代謝の異常が起きる 創傷治癒の遅延が起きる 免疫機能不全が起きる 消化管の炎症が起きる 腸粘膜構造の異常が起きる 成長できない!身長が伸びない! アミノ酸からたんぱく質を作ることができないということは、単純に血や肉、臓器などが新しく作れないことになります。 身長が伸びない男の子が亜鉛を摂取することで伸びたという例があります。 埼玉県の小学5年男児(10)は身長の伸びが遅かった。小学校入学前に成長ホルモン分泌が不十分な低身長症と診断され、1年から成長ホルモンの注射を開始したが十分効果がなかった。半年後に血液検査で亜鉛不足と分かり、亜鉛を補充する薬を飲み始めたところ伸び始め、今は標準身長にほぼ追いついた。 参考: 消化管に炎症が!腸の病気にもなりやすい もともと亜鉛不足は、消化管の炎症に関わっていることが知られていました。最近では、大腸炎などの病気にもかかりやすくなることが注目されています。その仕組みは以下の通りです。 亜鉛の摂取不足 ↓ すい臓からの亜鉛の分泌量が低下 ↓ すい臓から分泌される消化酵素の活性も低下 ↓ 消化機能が低下 消化機能が低下すると腸内環境も乱れがちになったり、貧血、食欲不振、皮膚炎、生殖機能の低下、慢性下痢、脱毛、免疫力低下、低アルブミン血症、神経感覚障害、認知機能障害などのさまざまな症状が現れます。 亜鉛の1日の摂取量 では、私たちは1日に亜鉛をどのくらいとればいいのでしょうか? 日本人の食事摂取基準(2015年版)では1日の摂取の推奨量は18~69歳の男性で10mg、70歳以上の男性で9mg、18~69歳の女性で8mg、70歳以上女性で7mgとなっています。 参考:健康長寿ネット [ 51 more words ]
https://www.chounaikankyou.club/article/zinc.html
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