期待通りのおもしろさ。やっぱり、菅田将暉の演技はいい! ダークな漫画を執筆してからの、焦燥ぶり(顔もやつれ、実際に体重もかなり落としているだろう)の表現に鬼気迫るものが。殺人鬼演じるFukase(SEKAI NO OWARI)の存在感も凄い。
私の見所ポイントは、圧倒的な画力はあるが、キャラクターを作り出す力が乏しい主人公、圭吾。持ち込み作品がボツになって、漫画家を諦めるシーンからはじまる。
圭吾は、「漫画の才能が全くない」と自身でも語る。しかし、殺人鬼と目が合って「覚醒」する。言うならば、才能の覚醒だ。
夢をあきらめるのか。しぶとく夢を追い求めるのか。彼の場合は、「キャラクター力が弱い」という自分の弱点と向き会うことが、ブレイクスルーのきっかけになっているのだ。
本作は、『映画大好きポンポさん』の、「映画の仕事をしたい」という根暗な映画青年ジーンともかぶる。夢とか、情熱とか、そんなきれいごとではない。クリエイションというのは、「狂気」と紙一重であり、正に「命懸け」である。
もちろん、私も本を一冊書くのに「命懸け」である。1日10時間執筆を30日連続で続けるのは、「命懸け」でないとできない。
クリエイション(創作)とは、「狂気」と紙一重のところで、どやって狂気をコントロールしていくのか。狂気的なエネルギーを、理性や理論によってコントロールし、方向性がぶれないようにしていく作業ではないか。みたいなことを、『キャラクター』や『ポンポさん』を 見ながら考えてしまう。
そんな深層心理を考えながら鑑賞すると、『キャラクター』は、なかなかスリリングな映画として楽しめる、
「映画大好きポンポさん ジーン」的推薦目錄:
映画大好きポンポさん ジーン 在 Facebook 的最讚貼文
『映画大好きポンポさん』。ぶっとんだアニメに衝撃を受けたが、原作との相違を知りたくて原作漫画を読んでみる。数ページ読んで、戦慄が走る。ほぼ原作漫画、セリフも全く同じで非常に忠実に描かれていたからだ。もちろん、アニメならではのビジュアルの追加はあるが、ストーリー自体は忠実にアニメ化されていた。
原作者の杉谷庄吾【人間ブラモ】氏。どんな人なのか? あとがきに書かれていた。もともと「漫画」や「小説」の投稿サイト「pixiv(ピクシブ)」に投稿した漫画が大人気となり、コミック化され、さらに映画化されたことがわかった。
マニアックに頑張っていれば、それが認められ結果は出る!! という劇中の映画オタクの主人公ジーンのようなサクセスストーリー。これを知って、映画の感動が、より大きなものとなった。
映画大好きポンポさん ジーン 在 Facebook 的最佳貼文
本の執筆も一段落し、インプット期間に突入しました。
1日1本映画を見て、1日1冊本を読む。
というものすごいインプット量で、ここ一週間、とても楽しい時間を過ごしています。
インプット量を増やしいくと、映画と映画、映画と本などの間に「セレディピティ」が起ってきます。「セレディピティ」とは、「偶然の出会い」。樺沢大絶賛の『映画大好きポンポさん』。その前日に読んでいたのが、本田 晃一さんの『やめることリスト』。この2作品に凄い共通点がありました。
人間関係やネガティブな考え方などを「やめる」「手放す」ことで、楽に生きられるようになります、というのが『やめることリスト』のテーマ。みなさん、何かを「やらなければならない」という強迫感を持ち、「でも時間がない」というジレンマで苦しんでいる。「やめる」「手放す」ことで楽になる。そして自由な時間が増えることは、間違いないです。
全く同じテーマが、翌日に見た映画『映画大好きポンポさん』でも描かれていたので、ものすごーーーーーく、響いたのです。この映画の主人公、新人映画監督のジーンは、編集作業の中で、どのシーンも素晴しくて「削除できない」ジレンマに陥っています。しかし、全入れていては、到底、上映時間の枠に収まらない。本当は削除したくないのですが、「大切なシーン」をドンドン削除していくシーンに涙が出ます。
ほとんどの人は、「あれも欲しい」「これも欲しい」と、プラスの発想しかしない。そうすると、お金も、時間も、精神的余裕もなくなって、全てが得られない状態となります。
ジーンは、覚悟を決めて、ガンガン、シーンを削除していく。その描写には、「削除するもの」に、「人間関係」「記憶」「体験」「過去」「しがらみ」「先入観」など、様々なものが「比喩」的に描かれているわけで、まさに『やめることリスト』に書かれていること、そのものでした。
不必要なものを全て削除した瞬間、ジーンは「足りないシーン」=「本当に必要もの」を発見するのです。
物質的に豊かな日本人が、なぜ幸せになれないのか? 拙著『3つの幸福』で、私が向き合ったテーマでもありますが、「幸せ」を足し算するほど、「本当に欲しいもの」「本当にたいせつなもの」が見えなくなってくる、ということ。私たちに必要なのは「引き算の幸福」なのです。
拙著『ストレスフリー超大全』には、「職場の人間関係は重要ではない!」「友だちは一人いればいい」というドキッとすることが書いてありますが、『やめることリスト』にもほぼ同じ話が書かれています。
一冊本を椀で終わり。1本映画を見て終わりではなく、関連させながらインプットを広げていくと、そこに「セレディピティ」が起こり、意外な発見、気付きが得られて、自己成長が加速していきます。
ということで、『やめることリスト』と『映画大好きポンポさん』。いずれもお勧めです。