(バイリンガル日記)
朝目が覚めたら、やっぱり筋肉痛に襲われた。年が明けて2日目、いわゆる初二だが、台湾人にとって既婚の女性が夫や子供と一緒に実家に帰る重要な日だ。うちは大家族なので、今日はおばさんが次々と帰ってくるはずだ。一人っ子なので、子供のころは遊ぶ相手がいなくて、いつも部屋に閉じこもって勉強していた。でも、お正月になるといとこたちが帰ってくるので、一瞬にして物静かな子からお喋りに変身した。
中学校を卒業してから進学のため台北に移住したけど、幼少期からずっと都会生活に憧れていた僕にとって台北は楽園にほかならなかった。目に映る何もかもが新鮮で、友達もかなり増えたので、田舎のことなんか自然に忘れ去られてしまった。しかし、社会人になってから、故郷のことが恋しくなってきた。コンビニもなかなか見つからないド田舎には自然豊かな景色以外ほとんど何もないが、何もないからこそ、都会では味わえない静けさを満喫できるのだ。仕事や個人の勉強で毎日忙しい生活を送っている自分にとって、ここは唯一心身ともに癒される場所だ。毎日がむしゃらに働くのではなく、時には足を止めて周りの風景を見ることも重要だとしみじみ感じている。
高校時代、自分だけが田舎出身であることはコンプレックスだったが、今は逆に誇りに思っている。ドアを開けると見渡す限り原野が広がっているなんて都会っ子には羨ましがられるのだろう。
(中)
早上眼睛睜開,果然還是全身肌肉痠痛。新年第二天,也就是初二,是已婚婦女帶著先生小孩回娘家的日子,對台灣人來說是非常重要的一天。我家算是大家庭,今天應該會有許多姑姑陸陸續續回來才對。我是獨生子,所以小時候沒人陪我玩,總是一個人關在房間裡讀書。但是,每到過年表弟表妹那些就會回來,我就馬上從安靜的小孩變成長舌婦。
國中畢業後為了求學我搬到台北居住,對從小就嚮往都市生活的我來說,台北無疑就是一座樂園。看到的事物都非常新鮮有趣,朋友也多了不少,所以很自然地就淡忘了鄉下的一切。但是,出社會工作之後,開始慢慢懷念起了故鄉。在這個連便利商店都很難找到的窮鄉僻壤,除了豐富的自然景觀外幾乎什麼都沒有。但就是因為什麼都沒有才能盡情享受都會沒有的靜謐。對每天都忙著工作跟念書的我來說,這裡是唯一能夠讓身心靈獲得療癒的地方。我現在深刻體會到不應該每天瘋狂工作,而應有時停下腳步好好欣賞身邊的風景。
高中時因為自己是唯一從鄉下來的而感到自卑,現在反而很自豪。一開門就有一望無際的原野,這件事對都市的小孩來說,應該是很羨慕的吧。
同時也有3部Youtube影片,追蹤數超過244萬的網紅メンタリスト DaiGo,也在其Youtube影片中提到,甘口したんでDラボ入ってください。笑 ⬇️Dラボ無料体験⬇️ 全てのDラボ有料動画がタダで見れるリンクはこちら https://daigovideolab.jp/?utm_source=youtube&utm_medium=social&utm_campaign=official&utm_con...
恋肌 閉店 在 渋谷ゆり涉谷由里 Shibuya Yuri Facebook 的最讚貼文
#ホテル の #ジム 閉まってた😂#酒店 的 #健身房 已經關門了😂#gym at #hotel is already closed😂#スミスマシン が恋しい;( I miss #smithmachine #workout #fitness #asian #asiangirl #healthy #livinghealthy #筋トレ #筋トレ女子 #健身 #肌肉 #ダイエット #减肥 #diet #weightloss #losewight #運動 #gymwear #japanese #taipei #taiwan #台湾 #台北 #台灣
恋肌 閉店 在 メンタリスト DaiGo Youtube 的精選貼文
甘口したんでDラボ入ってください。笑
⬇️Dラボ無料体験⬇️
全てのDラボ有料動画がタダで見れるリンクはこちら
https://daigovideolab.jp/?utm_source=youtube&utm_medium=social&utm_campaign=official&utm_content=i21v1EgVQcs
📗通常3000円が無料
DaiGoのオーディオブックがどれでも無料 Audible無料体験 →https://amzn.to/2UBuD1j
⭐️新刊
松丸家の育て方 →https://amzn.to/3fomsAn
メンタリストDaiGo の あなたの知識を驚くべき結果に変える 超戦略ノート術 https://amzn.to/3hDIEb8
メンタリストDaiGo の 超報復力 いじめる相手を徹底的に見返す方法 https://amzn.to/3jwEbZv
メンタリストDaiGo の 賢者の睡眠 https://amzn.to/3laMhHT
メンタリストDaiGo初輸入のDlab-Wine D5-RS1 https://amzn.to/3k0M0GM
▶︎参考文献
完全復職率9割の医師が教える うつが治る 食べ方、考え方、すごし方 https://amzn.to/30hKjd5
他人は変えられない ならば自分が変わればいい: マインドフルネスと心理療法ACTでひらく人間関係 (単行本) を Amazon でチェック! https://amzn.to/3dEPs47
Pilot 4+1 ウッド/Wood 【グレー】 BKHFW2SRGY 最大φ 14.1mm 全長 148mm を Amazon でチェック! https://amzn.to/2VCMMjC
KAWAHOME オリジナル ニット タオルケット リバーシブル https://amzn.to/3fStwpB
マインドフル・イーティング 過食から自由になる心理学 を Amazon でチェック! https://amzn.to/39UzwtA
結局、自分のことしか考えない人たち:自己愛人間への対応術 を Amazon でチェック! https://amzn.to/2LkAnLI
マネジャーの最も大切な仕事――95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力 を Amazon でチェック! https://amzn.to/3hq8HzW
マインドフルネス実践講義―マインドフルネス段階的トラウマセラピー(MB-POTT) を Amazon でチェック! https://amzn.to/3e3TJ19
他人は変えられない ならば自分が変わればいい: マインドフルネスと心理療法ACTでひらく人間関係 (単行本) を Amazon でチェック! https://amzn.to/3dEPs47
自信がなくても行動すれば自信はあとからついてくる ――マインドフルネスと心理療法ACTで人生が変わる (単行本) を Amazon でチェック! https://amzn.to/3sBVqdZ
Tapスマホで買ってしまう9つの理由 https://amzn.to/3yDSoIE
シュガーマンのマーケティング30の法則 お客がモノを買ってしまう心理的トリガーとは を Amazon でチェック! https://amzn.to/2xWnVvp
Researched by Yu Suzuki http://ch.nicovideo.jp/paleo
by ぬこみこDaiGoの切り抜き図書館
タイムスタンプ
0:00 はじまり
0:09 今日は激甘放送
0:53 今日のワイン紹介🍷
1:40 Dラボ概要欄
1:58 4分HIITを毎日やっても?
3:14 介護職員不足
4:19 自堕落な生活を抜け出す方法
5:17 将来の明確なキャリアがない
6:21 夫婦で切り抜きチャンネル
7:40 欧米就職目指すが、国内の方が現実的?
9:52 甘口は今回だけにしようかな
10:00 彼体臭に安心する
11:09 夫が離婚に応じてくれない
12:12 承認欲求強いのを改善
13:10 激甘面白くないね
13:32 ワクチン接種後なくなった方
14:49 激辛の方が楽しいかも
15:24 激辛に変わります
17:25 転職前にどの仕事で生活費
18:46 夜の相性良くない
19:55 生理中彼に割り切れない感情
21:33 周りから良い人認定されるのが嫌
22:23 切り抜き宣伝
22:50 自分の体臭や頭皮の臭いが気になる
24:08 うつで就活できないでいる
25:57 ジモティーに登録したが問い合わせが皆無
27:47 スパチャ流れすぎ
28:28 公務員、パワハラ
29:33 切り抜きについて
31:14 期間が空いたデート、告白成功させたい
33:10 パパ活してた彼女
34:28 恋愛依存症、相手に飽きられるのこわい
35:51 4分HIITの方、再スパチャ
36:42 精神病んだ方と一緒に働くコツ
37:55 身内が陰謀論にハマってしまった
38:21 神を信じることについて
39:41 一歩先を予測し行動するのにいい方法
40:53 自閉症の子持ち50代、転職か起業したい
42:17 DaiGo氏肌キレイ
42:37 売れっ子になったら絵を飾ってください
43:37 うつ、このまま大学卒業まで頑張るべきか
46:12 両想いの人にバツイチと伝えるのこわい
47:19 自閉症の遺伝性は?
49:38 おすすめの日用品は?
52:04 人の金メダル噛む人の心理
53:50 二股をする上で気をつけること
54:01 周りの獣医師が優秀すぎて
55:27 規則正しく生活するには?
57:26 弁護士入れて話しても話が進まない
58:22 手取り20万実家賃負担、一人暮らし希望
1:00:09 就寝時エアコンつけてる?
1:00:53 獣医師を好きに
1:02:30 ひろゆかない氏、Youtube伸び悩んで
1:04:03 おすすめタオルケット
1:04:45 一人暮らしのため工場で勤務すべきか
1:05:35 フリーエンジニア、トップと差
1:06:44 ひろゆかない氏、コラボ?
1:07:04 辞表を出す勇気が出ない
1:10:40 健康orやりたいこと優先順位
1:11:57 離婚した夫に親権
1:13:53 小説の世界に長時間入り込んでしまう
1:14:59 悪い考え方するのは治らない?
1:15:58 同棲中だが家事できず
1:18:22 整形は将来悪影響?
1:19:48 彼女の障害を受け入れたい
1:20:12 勉強のために実家に帰るべき?
1:22:32 ワイン三本セット届きました
1:23:08 在宅勤務、外に出ないことは悪いこと?
1:24:19 遅刻癖を治す方法
1:25:28 アプリ1回目告白、保留
1:27:20 カロリー範囲内の甘い物、ウエスト減る?
1:29:23 チューイングって何
1:31:21 ネットワークビジネスを論破
1:32:55 疲れをとる方法
1:34:57 一般人精神疾患公表は不幸自慢?
1:35:32 どんな資産運用してた?
1:37:10 クラスの人がいつもくすぐってくる
1:39:18 職場まで2時間の実家or一人暮らし
1:41:03 うつ、何度も復職するのがこわくなった
1:43:21 軽度うつの方再スパチャ
1:45:25 人生を変えられる堅い意志を持てるか
1:47:03 うつと仕事サボる同僚がいる
1:48:23 謝罪できました
1:48:38 胸の手術痕コンプレックス
1:50:04 夜の店のYouTubeはじめた
1:50:44 中二病いきり行動の文献
1:51:18 夜の店YouTubeの話
1:52:05 DaiGo氏、目が痛い?
1:52:25 ひろゆかないさん
1:53:14 感謝スパチャ
1:53:32 高卒で就職
1:54:59 算命学をどう思う?
1:56:24 ひろゆかない氏再び
1:56:34 人や物事に興味持てる行動
1:58:20 頭がいいって?
1:59:37 都合のいい関係、心地よい関係の違い
2:00:52 家庭教師で身につけるべきスキル
2:02:05 ねこ様たちいます
2:02:27 障害年金決定、家族にストレス
2:03:38 アラフォーから弁護士目指すのは?
2:04:31 ひろゆかない氏とはジョロキア級で
2:06:37 大事な人の不幸で泣けなかった
2:07:25 うつで本が読めない
2:09:34 介護職で体調崩したが介護職に
2:10:56 マネージャー職で迷っている
2:14:09 上司に否定される
2:15:28 妻に愛想尽かされた
2:17:21転職考えたが現職がよく見えてきた
2:18:29 辛口楽しいですね
2:19:01 応援メッセージ
2:20:03 タダ残業で体ボロボロ
2:22:36 夜の店経営どう思う?
2:23:50 DaiGo氏立候補したら
2:24:03 彼氏と同棲解消までの3日間何する?
2:26:36 ブログ文長くなってしまう
2:27:39 妻に子ども連れ去られた
2:29:29 音信不通の彼との関係
2:31:02 別れた彼の家に大切な荷物がある
2:32:35 亮吾氏がテレビで鬼滅のコスプレ中
2:33:09 ルール等不明確の職場
2:34:08 眠剤飲むと目がさえて
2:34:55 マネージャー再スパチャ
2:36:09 職場の先輩と交際中
2:38:58 子ども連れ去られた方、再スパチャ
2:39:44 幼児の身長を伸ばす方法
2:40:27 家に招かない彼信じるべき?
2:41:19 モラハラ先輩
2:42:29 ぴこ様登場
2:43:32 心のトラウマを克服する方法
2:44:54 長崎大学のサプリ
2:46:06 ネコ同士の関係修復
2:47:42 気持ち悪い上司
2:48:14 ぴこ様かわいいスパチャ
2:48:25 彼女を自分に依存させたい
2:49:41 人生充実させたいラクロス部に入部
2:52:01 父が老害化してきた
2:53:22 下系ゲームは需要ある?
2:54:48 座禅と瞑想の違い
2:55:44 上司に出勤時間早めるよう言われた
2:57:32 接客苦手意識が克服できない
2:58:41 ぬこ様
2:59:01 ◯人が無罪になるのはおかしい
2:59:49 復縁したい
3:00:33 どうしたら心理どう○卒業できる?
3:01:11 生きる価値ない人はいると思う
3:02:17 心理どう◯の方へ
3:02:57 ◯刑執行しないのはなんで?
3:03:32 リーンゲインズ中の食事
3:04:28 執行しないのは冤罪?
3:05:01 好きな人に2度告白してフラれた
3:05:55 質問締め切り
3:06:18 浮気してる夫との関係
3:07:44 商談アポの取り方
3:08:34 ネット広告おすすめ
3:09:44 男友達と体関係もってる
3:11:06 復縁済み、彼氏が結婚願望ない
3:12:17 同棲中彼氏と喧嘩が多い
3:13:42 生活費入れてくれない夫
3:15:45 好きな人から忘れたころに連絡
3:16:54 最後にぬこ様
3:18:15 みこ様
~終了~
#Dラボとオーディオブックが概要欄から無料
※本日の質疑応答は激甘からの激辛です。くれぐれも真に受けないでください。
![post-title](https://i.ytimg.com/vi/i21v1EgVQcs/hqdefault.jpg)
恋肌 閉店 在 Genの本棚食堂 Youtube 的精選貼文
誠に勝手ながら、少しばかりゴーヤちゃんぷる~の話をさせていただく。
僕が初めて彼を口にしたのは、確か、そう小学生の頃だ。クラブ活動の打ち上げで行った居酒屋のメニューで出てきた。
僕を含めた子供たちがやれ唐揚げだ、やれポテトフライだのを口に放り込む中、ビールジョッキ片手に顔を赤らめる大人達は次々にゴーヤちゃんぷる~を箸でつつくもんだから、憧れの気持ちもあってか一口食べてみたのだ。
結果は文字通り苦い経験となった。今思い返せば、味付け自体が酷かったようにも思えるが、詰まるところ当時の僕の舌はゴーヤを「食べ物」と認識することができなかったのだ。
それから再び運命の交差が起きるまでには十年弱を要した。
それは大学2年春のことだった。春といえば何かと酒が付き纏う季節である(僕には年中酒が付き纏っている気もしなくもないが)。
その日は理性の権化のような存在であるこの僕が珍しくドーパミンに脳を侵され、限界を吹き飛ばして安酒を飲んだ結果、運動機能を見事に停止させていた。まぁ要は“潰れた”のだ。
結果、僕は駅前の階段に設置されたスロープで、さながら浜辺に打ち上げられた鯨(といってもサイズ的にはスナメリくらいだが)のように倒れ込んでいた。酒に弱い諸君はこうなりたくなければ、自分の酔いレベルを逐一把握しながら、適度に飲むことをお勧めするが、案外こういう経験をしてみるのも人生悪いもんじゃない。深夜というのは思わぬ出会いを運んでくるものだ。
午前0時過ぎ、駅前広場にはそこかしこで学生が倒れる中、僕は恰幅のいい駅員さんに身体を揺すられて目を覚ました。
「君大丈夫かい?この時間になるとまだ外は冷える。ちゃんと家に帰って寝なさい」
こんな馬鹿丸出しの学生になんて温かい言葉をかけてくれるんだ、と寝ぼけながらに僕は思った。
「はい、そうします。ご迷惑をおかけしました」
「そんなそんな、謝る必要なんてない。若いもんは反省なんかせずに前見て突っ走るもんだよ。くぅ~若いっていいねぇ。春だなぁ、春だよぉアオハル、青春だねぇ。うんうん」
僕は軽く一礼をし、とりあえず彼から逃げるように離れた。そして視界に入った自動販売機で水を買おうとしたが、ポケットには財布がなく、代わりに裏面に字の書かれたレシートが入っていた。
「
盗難の恐れあり
我自宅で引き取る
手間賃として1000円頂く
p.s 1000円はすでに角瓶へと変ってしまった。
竹内」
僕はもう何も言えなかった。
とりあえず、部屋の鍵は下宿の下駄箱に入っているし、帰れることは帰れる。ふかふかの布団を求めて僕は甲州街道沿いを歩いた。
こんな時間だと言うのに、車たちは次々に煌々と光る新宿方面へ走っていくし、歩道には多くの人が歩いている。田畑の広がる田舎出身の僕にとって、こういう景色は上京前、ずっと憧れ続けたものだけれど、同時に故郷が恋しくもなった。
とそこへ、肌触りのいい春風がどこからともなく吹いてきた。そして僕は溶けそうな脳みそでぼんやり考えた。
『春だなぁ。東京来てもう二年目かぁ。この一年間何してたっけなぁ。遊んでるだけだなぁ。入学早々の勉強意欲は春風に飛ばされちゃったのかねぇ。春だねぇ、春だよぉ』
すると、風の中には何やら馨しい料理の香りが混じっていた。僕はそれを鼻に通した途端、猛烈な食欲に襲われた。
思えば酒ばかりでまともに飯を食っていないし、食ったものは全部流れ出てしまった。こんな時間に、塩辛いおかずと白米を食えたらどんなに幸せだろうか。僕は気づけば匂いのする脇道へ足を向けていた。
こんなところに店なんてあるのか?と思えるほどいたって普通の住宅街がしばらく広がっていたけれど、そのまま小道を進むと突如、南国の雰囲気が漂う商店街が目の前に出現した。近所にこんな場所があるとは知りもしなかった。さらに怪しさ万歳の小さなアーケード街に入ると、いよいよ匂いは近づいてきたが、見たところ営業している店はない。すると、突当りの曲がり角の向こうから、シャッターを閉める音が聞こえた。
恐る恐る進み、角から顔を出してみると、そこには閉店作業をしているちょっとヤンチャそうな茶髪のお兄さんがいた。歳は見たところ少し上くらいだろうか。彼は視線を感じたのか、鋭い目つきでこちらを見た。対して僕は怯みながら、とりあえず謝ってみた。
「なに?」
彼は表情を変えずに言った。
「あの」
「なんだよ」
「もう閉めます?」
「見りゃ分かるだろ。なに、何か飲みてーの?」
「いや、食いてーです。すいません」
僕がそう言うと、彼は黙った。とりあえずもう一度謝ってみた。
すると彼は閉めたシャッターを半分上げ、「賄いの余りならあるよ」と言った。
「え、いいんですか?」
「別にいいけど。金はもらうよ」
「勿論です、と言いたいところなんですけど、諸事情により財布が今ないんで明日返しに来てもいいですか?」
「お前すごい図々しーな」
「すいません」
「いいよ。明日店に返しに来いよ」
彼はそう言うと、僕をシャッターの内側へ招き入れた。店内の照明はカウンター以外全て落とされ、店じまいの準備がほとんど整っているようだった。僕はここに来て初めて本気で申し訳ない気持ちになった。とは言えそんな事口にすると余計に怒られそうだったので、料理が出てくるのをただ待った。
彼は大きな中華鍋に火を入れて少量のごま油を垂らすと、タッパーに入っていたゴーヤちゃんぷる~を取り出し、軽く炒めた。先ほど春風に運ばれてきた匂いの正体はこいつだ。醤油と、これはオイスターソースだろうか。嗅ぐたびに腹が良く鳴る。しかし、ちゃんぷる~を食べるなんて数年ぶりだ。果たして僕は食えるのだろうか。
一抹の不安を抱えている間にも、ちゃんぷる~の盛られた皿が目の前に置かれ、親切に米とみそ汁まで付いてきた。
さすが賄いという事もあり、大きなゴーヤの端の部分がごろごろ入っている。思わず苦笑い。
「いただきます」
「どーぞ」
彼は煙草に火をつけながら言った。
そのちゃんぷる~は本当に、とんでもなく美味かった。豚バラ肉の甘い脂と半熟の卵がゴーヤの苦味を包み込み、一体感のある旨味になって広がっていく。喉を通った後には、口の中にごま油とオイスターソースの余韻が広がった。あまりの美味さに「美味い」と口に出てしまうほどだった。苦みが美味いとはこういう事かと思い知らされた気分だった。
「お前変な奴だな」
「でもお兄さん、このゴーヤちゃんぷる~ほんとに滅茶苦茶美味いですよ。食います?」
「いらねーよ」
「すごい才能お持ちですよ。こんなに美味いちゃんぷる~作れる人世の中そうそういません」
「そんな事言えるほどお前ちゃんぷる~食ってねーだろ」
「それは確かに言えてますね。沖縄県の方ですか?」
「ちげーよ」
「じゃあどちら出身?」
「教えねーよ」
腹が減っていたこともあり、僕は夢中になってちゃんぷる~を食べた。それはまさに至福の時間だった。そこからの記憶はどこかあやふやで、気づけば僕は自分のベッドに横たわり、時刻は14時過ぎになっていた。また一日を無駄にした気分に襲われた。
僕は熱いシャワーを浴びた後、服を着替えて歯を磨き、自転車に跨って竹内の家に財布を取りに行った。そして1コマ授業に出た後、帰りがけにあの商店街へ寄ってみた。そこには昨日(正確には今日だが)の怪しい雰囲気は一切なく、ほのぼのとした下町の雰囲気が広がっていた。そしてアーケード街の例の店へ行くと、店内では若い女性二人が彼氏に対する不満を述べながらタコライスプレートを食べている姿があった。
「はいいらっしゃい」
カウンター内にいた白髪交じりのおじさんは、僕に気づくと優しい笑みを見せて席へ案内してくれた。
「あの、昨日の深夜ここでゴーヤちゃんぷる~をいただいたのですが、諸事情によりお金が払えなかったので、今払いにきました」
「あーそうなの。宮島君かな?目つきの悪い」
「はい、目つきの悪い人でした。今日出勤されます?」
すると彼は笑った。
「宮島君昨日が最後の出勤日だったんだ」
僕はその後おじさんの作るゴーヤちゃんぷる~を食べた。それはそれで大変美味いのだけれど、やっぱり宮島兄さんの作るちゃんぷる~は格別だった。
Gen
![post-title](https://i.ytimg.com/vi/fp3w2gKNAkc/hqdefault.jpg?sqp=-oaymwEbCKgBEF5IVfKriqkDDggBFQAAiEIYAXABwAEG&rs=AOn4CLBpCenMRl_YDRHQxpybY_EDgSeAWA)
恋肌 閉店 在 Genの本棚食堂 Youtube 的最佳解答
私が仕事を終えて事務所から出た頃、空には深い藍色をした夜が、焼けるような夕陽を飲み込もうとする姿があった。その光景はこの世の物とは思えない程壮大で、美しく、悲しさに満ちていた。
それは私にとって掛け替えのない記憶を突然に呼び起こした。私がまだ少年と呼べる歳の頃に想った人の古い記憶だ。彼女へ抱いた感情は恋よりもずっと濃く、愛よりもずっと淡かった。
彼女の柔らかく細い髪が、透き通るグレーの虹彩が、小麦色の滑らかな肌が、特別な力を感じる声が、海馬の奥底から次々に湧きだし、私の全てを満たしていく。
彼女は言った。
『私は確かにあなたの前に存在しているけれど、大半の人にとってはいないも同じ』
『幸せって掴むものじゃなくて気づくものだと思う。そうあって欲しいと私は思う』
『あなたの詩を書いてみたけれど、ひどい出来ね』
『私にはまだ恋愛ってものが分からない。でも、ちゃんとそれなりの幸せは感じてるの』
『いつか、必ず会える。そしたらまた、春風の気持ち良い野原でも作ってリルケの話でもしながら、すみれのサンドウィッチを食べようよ』
目を細め、静かな笑みを見せながら、彼女はいつもそう言うのだ。その顔は私の経験してきた何よりも愛おしかった。
それなのになぜ、忘れてしまったのだろうか。
あれほど大切に思っていた人の事をどうして数十年何も思い出さずにいられたのか。
一体いつから。
その起点を思い出す事はできなかった。まるで夢と現実の境界線のように。
彼女を忘れたこれまでの人生は、本当に自分の人生だったのだろうか。そう考えた時、私の脳裏には、これまで両眼で見てきた光景の数々がフラッシュバックした。
アルバイトをしていた三軒茶屋の小さなレコードショップとその主人。
25の時、共に事務所を立ち上げ、30年以上仕事をしてきた同僚の岡島。
素朴で温かいチャペルでの挙式。真っ白なドレスに身を包んだ妻。
三鷹に買った、小さなセコイア並木の見えるマンション。
自分の腕の中で幸せそうな寝息を吐く娘の、溶けてなくなってしまいそうな頬。
これは誰の人生だ?
私はその場に立ち尽くし、ひどく混乱した。古びた心臓の鼓動は早まり、渇ききった額には汗が滲む。
「──さん。宮本さん」
部下の津島が声をかけてくれるまで、私は瞬きさえすることができなかった。
「大丈夫ですか?その、顔色があまりよくないみたいで」
彼は私の顔を覗き込むように言った。
「あぁ。大丈夫だよ。ただ、すまないんだが笹山くんとの食事はキャンセルさせてくれないかな。少し気分が悪い」
「分かりました。笹山さんには伝えておきます。またいつでも飲めますから」
「申し訳ないね」
「私が言うのも何ですけど、本当に気にしないでください。とにかく、今日は家に帰ってゆっくり休んでください」
「ありがとう」
私がそう言うと、彼は後輩の小林を連れて飲食街の方へ消えていった。
私は自分の立つ場所の辺りを見回した。目に映るのはいずこへともなく歩きすぎていく無数の人々の姿と山脈のように連なり、赤く点滅する高層ビル群の陰だった。それは水晶体が白濁する程見慣れた光景のはずだった。
ここはどこだろうか。
私はいまどこに立っている。
一体、どこへ向かえばいい。
時間が経てば経つほど、思考はかき混ぜられ、気分が悪くなる。そんな中、溢れ出る記憶の中のとある言葉だけが、私を少しばかり安心させた。
『どこにも行き場がなくて、どうしようもなくなったら私の所に来なさい。あなたが望めば必ずここへ来られるから』
それはすみれさんの言葉だった。当時、身の裂けるような思いをしていた私に掛けてくれた何よりも温かい言葉だった。
私は目元を強く押さえて深く息を吸い、足を前へ踏み出した。
繁華街の大通りから一本裏手に入ると、雑居ビルに囲まれた暗い路地がある。そのビルの間の道とは言えない道へ入り込み、眠る浮浪者を跨ぎながら、行けるところまで進んでいく。
雑居ビルの隙間から見える空は、完全な夜へと変わっていたが、未だ太陽は煌々と光っている。
それはあまりに不自然で、奇妙な光景だった。
そしてそれを、私は蘇った記憶の中で目にしていた。
その場所は私がもといた現実の世界ではない。
「君の作った世界だ」
私は禍々しい太陽へ向かって言った。
ここにいる人もビルも、塵も光も、何もかも、君が作った世界だ。
この空は、彼女が初めて作った世界の空だ。今にも霧のように消えて無くなってしまいそうな彼女は、書斎の小さな窓を通してこの空をぼんやりと見ていた。
『この家はあなたの世界にいた頃暮らしていた家なの。この書斎でいつも母が扉の鍵を開けてくれるのを待ってた。母の事も、この家の事も嫌で嫌で仕方なかったのに、結局ここに帰って来る。自分の存在を確かめるにはどうしてもこの場所が必要なの。ほんと皮肉だよね』
それから程なくして、彼女は部屋だけを残して僕の前から跡形もなく消えてしまった。
行きついた果てには、飲食テナントの入ったビルの裏口があった。大きな換気扇からは、賑やかな光と音、古い油の匂いがした。私はその脇にある錆びた扉の前に立ち、煙草の吸殻を踏みながら、すみれさんの事を考えた。
そして、錆びたドアノブを回し、軋む音を立てながらゆっくりと引いた。その手には、どこか懐かしい感覚が流れ、やがて全身へ回っていった。
扉の先には、そこにあるはずの飲食店とは異なる店があった。オーク材をふんだんに使った重厚なテーブルが並び、古い電球が色褪せた光で室内をぼんやりと照らしている。部屋の隅のレコードは回り続け、聞いたこのない女性ボーカルのバンド曲を流している。客席には、顔と声の存在しない者達が座り込み、じっと何かを考え続けている。どこにでもあるのに、どこにもない部屋。いつでもあるのにいつでもない部屋。ここはそう言う場所だった。
「いらっしゃい」
カウンターの中からそう話すのは、すみれさんだった。50年前と何も変わりのない声や姿がそこにはあった。
「すみれさん」
私はドアを閉めながら言った。
「宮本君、随分大人になったのね」
そう言いながら、彼女は髭を撫でるような仕草をした。短く切り揃えられた黒髪、整った容姿に陶器の様な質感の肌はある種、彫刻のような冷たく静かな美しさがあるけれど、その中はユーモアと茶目っ気のある温かさが満ちている。
「おひさしぶりです。すみれさんは変わりないようで。いつの間にか、歳越えちゃいましたね」
私は笑いながらそう言い、同時にひどく悲しくなった。自分だけが年老いた事実が言葉にした後に重くのしかかったのだ。
「何も変わらないわ。良くも悪くもね。ねぇ、あなた今までどこにいたの?」
「分かりません。彼女が作った世界のどこか、だと思います。そのことに気づいたのはたった今ですけれど。気づくのが遅すぎました。僕はあの世界で、彼女の事なんか何も思い出さず、他人のような人生を何十年も生きてきました。こんな可笑しな話がありますか。一番浮ばれないのは私の死んだ妻と娘ですよ」
私は悔しさと苛立ちを含んだ口調でそう言った。
「分かっていると思うけれど、あの子の作る世界に時間の概念は存在していない。その姿だってあなたが無意識に作り出してるイメージよ」
「そんなことは分かってますよ。それでも、僕には50年以上過ごした感覚がどうしようもない程この身体に染み付いているんです。とてもじゃないが、以前の僕になんて戻れません」
僕がそう言うと、彼女は小さなポットに火をかけた。
「記憶を消したければ消せばいい。その感覚だって消えるだろうし、その姿だって勿論元に戻れると思う。でもそれであなたは、あの子は納得できるの?」
「僕は──」
するとすみれさんは手を前に出した。
「まずは席に掛けて。焦らずゆっくり話しましょう。時間はあるもの」
そう言うと、彼女は笑みを見せた。その姿に、僕はすっかり興奮をそぎ落とされてしまい、深いため息を吐きながら革張りのカウンターチェアに浅く腰かけた。
「何か食べる?」
彼女は食器の整理をしながら言った。
僕の脳裏に浮かんだものは、タマゴハムサンドだった。あの頃、この店に来るたびに食べていたメニューだ。
「タマゴハムサンド」
「たまごは?」
「たっぷりで」
するとすみれさんは嬉しそうな笑みを見せた。
「ちょっと待っててね」
彼女は木皿の上に盛られたゆで卵の一つを取り、細かくカットしてビーカーに入れた。そしてマヨネーズと他いくつかの調味料を混ぜてタマゴサラダを作り、大きな鉄のフライパンでハム2枚をさっと焼いて焦げ目のついたパンにそれらをまとめて挟んだ。
僕はその一連の無駄のない流れをぼんやりと見ながら、ふと呟いた。
「彼女が戻って来たんだと思います」
すると彼女はテーブルにタマゴハムサンドと珈琲の入ったマグを置いた。
「熱い内に」
僕は言われるがままに一口噛り付いた。卵の優しい味に、マスタードの酸味と砂糖の甘味、ハムの塩味が不思議なくらいよく合う。すみれさんの味だった。
「美味しいです。すごく」
「そう言う言葉を貰えるとやっぱり作り甲斐があるわね」
彼女はカウンターに両肘をつきながら言った。
それから僕は淹れたての珈琲を喉に通した。一口飲むだけで、随分と気分が落ち着き、平静を取り戻した。
そんな僕を見ながら、すみれさんは一つ一つの言葉を紡ぐように話した。
「あの子については、私もまだ何も知らない。どういう形になって、どこに存在しているのか。手掛かり一つ見つけられていない。でも、あの世界が残っている限り、彼女は必ず生きている。そしてあなたを呼んでいる。他の誰でもなく、あなたを。だから探してあげて」
「はい」
僕は彼女のサンドウィッチを平らげ、珈琲を飲み干すと、彼女から当時使っていた鞄を受取った。中には瑞々しいリンゴにノートと鉛筆、そしてリルケの詩集が入っていた。
「ほんと、何も変わりませんねここは」
僕は鞄を背負い、再びドアの前に立った。そこにはもう、少年だった僕でも、老人だった私もいなかった。
「すみれさん、また会えますか?」
僕がそう言うと、彼女は笑みを見せた。
「あなたがそれを望むなら」
BGM:J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻 第24番 ロ短調 BWV869(J.S.Bach:The Well Tempered Clavier No.1 in B minor, BWV869)
![post-title](https://i.ytimg.com/vi/lA8KdO4i1A8/hqdefault.jpg?sqp=-oaymwEbCKgBEF5IVfKriqkDDggBFQAAiEIYAXABwAEG&rs=AOn4CLBiOLRt5WN6uHwFnlNixJg0LpMKBg)